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計算 — FORMULA

残業代の計算方法。
式は4行しかない

残業代の計算は、思っているより単純です。①1時間あたりの基礎賃金を出す ②割増率を掛ける ③時間を乗じる。この3手順を、4種類の割増ごとに繰り返すだけです。

公開 2026.10.23改訂 2026.10.23根拠 労働基準法 第37条

よくある相談 — Q & A

相

相談者

残業代って、自分で計算できるものなんですか?

答

回答者

できます。基礎賃金を出して、割増率を掛けて、時間を乗じる。この3手順だけです。

相

相談者

難しそうなんですけど。

答

回答者

難しいのは手順1の基礎賃金です。4つの割増率と、通しの計算例を本文で整理しています。

詳しい条件と計算は、この下の本文で確認できます。

01

3つの手順と、4つの割増率

残業代は、次の3つの手順で計算します。

  1. 1時間あたりの基礎賃金を出す月給から、固定残業代と除外できる手当を引いて、月平均所定労働時間で割ります。
  2. 割増率を掛ける時間外25%、月60時間超50%、法定休日35%、深夜25%。
  3. 時間を乗じる該当する時間数を掛けます。

割増率は4種類しかありません。どこで間違えるかと言えば、手順1の基礎賃金です。ここが1円違うと、全部の金額がずれます。

4つの割増率
区分割増率
時間外労働(法定8時間超・週40時間超)25%以上
月60時間を超える時間外労働50%以上
法定休日労働35%以上
深夜労働(22時〜5時)25%以上

02

手順1:基礎賃金を出す

式は次のとおりです。

基礎賃金 =(月給 − 固定残業代 − 除外できる手当)÷ 月平均所定労働時間

月平均所定労働時間は、年間所定労働日数×1日の所定労働時間÷12です。年間休日120日・1日8時間なら、245日×8時間÷12=163.3時間になります。

「除外できる手当」は限られています。家族手当・通勤手当・住宅手当などでも、全員一律で支給されているなら除外できません。ここを間違えると基礎賃金が低く出ます。

なお、固定残業代は「引く」ものであって「除外する」ものではありません。割増賃金の前払いなので、基礎賃金から外したうえで、後で充当します。

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03

手順2:割増率を掛ける

基礎賃金に割増率を掛けます。1.25、1.50、1.35、0.25という4つの数字です。

ここで注意したいのが、「25%」は「1.25倍」であって「0.25倍」ではないという点です。時間外労働には、通常の賃金(1.0)に割増(0.25)が乗った1.25倍が支払われます。深夜だけは例外で、通常の賃金は別に支払われているので、加算分の0.25倍を計算します。

基礎賃金1,500円の場合の1時間あたり
区分1時間あたり
時間外(1.25)1,875円
60時間超(1.50)2,250円
法定休日(1.35)2,025円
深夜加算(0.25)375円

自分の基礎賃金で、計算してみる。

月給・所定労働時間・残業時間を入れると、4つの割増をまとめて計算します。

試算する

04

手順3:時間を乗じる。重複の扱い

最後に時間数を掛けます。ここで気をつけるのは、同じ時間を二重に数えないことです。

  • 時間外+深夜時間外労働が22時を過ぎた分は、1.25+0.25=1.50で計算します。
  • 法定休日+深夜法定休日の労働が深夜に及んだ分は、1.35+0.25=1.60です。
  • 60時間超+深夜60時間を超えた時間外が深夜なら、1.50+0.25=1.75になります。

つまり、深夜の25%は必ず加算されます。ここを落としている会社は少なくありません。深夜の残業が多い職場では、差額がまとまった額になります。

05

通しで1回、計算してみる

条件を揃えて計算します。月給32万円(基本給26万円+固定残業代3万円+住宅手当3万円)、年間休日120日、時間外45時間、うち深夜8時間、法定休日労働1日(8時間)とします。

計算の全体
手順計算結果
基礎賃金の対象32万−3万−3万260,000円
月平均所定労働時間245日×8÷12163.3時間
基礎賃金260,000÷163.31,592円
時間外45時間1,592×1.25×4589,550円
深夜加算8時間1,592×0.25×83,184円
法定休日8時間1,592×1.35×817,194円
合計(固定残業代を引く前)—109,928円
固定残業代3万円を充当109,928−30,00079,928円

この例では、月あたり約8万円が不足しています。3年分なら約288万円です。手順を追うだけで、この数字が出ます。

出典

SOURCES — 出典

よくある反論 — 会社の言い分と、こちらの整理

会社が言いがちなことこちらの整理
残業代は基本給だけで計算する 基本給のほか、除外できない手当も基礎賃金に入ります。手当を除いて計算すると単価が下がり、不足が出ます。
割増率は一律25%でよい 時間外25%、月60時間超50%、法定休日35%、深夜25%(重なれば加算)と分かれます。時間の性質ごとに率を当てます。
1か月の残業代をまとめて四捨五入する 合計してから処理するのは構いませんが、日々の時間を先に切り捨てると不足します。順番が逆になっていないか確認が必要です。

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