請求 — TRIBUNAL
労働審判の流れ。
3回で終わる、話し合いの場
労働審判は、話し合いによる解決を目指す手続きです。訴訟より速く、費用も抑えられます。
よくある相談 — Q & A
相談者
労働審判って、どのくらいで終わるんですか?
回答者
原則3回以内で、2〜3か月程度が目安です。訴訟より速く、費用も抑えられます。
相談者
必ず満額もらえますか?
回答者
話し合いが中心なので、請求額を下回ることもあります。特徴を本文で整理しています。
詳しい条件と計算は、この下の本文で確認できます。
01
流れ
地方裁判所に申し立てると、1回目の期日が開かれます。以後、原則3回以内で審理され、和解か審判で終結します。
審判に不服があれば、2週間以内に異議を申し立てます。異議を出すと訴訟に移行します。
02
費用と期間
申立手数料は請求額に応じて決まります。期間は2〜3か月程度で終結する例が多いです。訴訟なら1年以上かかることもあります。
本人でも申し立てられますが、実務上は代理人を立てる例が多くあります。
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申立てから終結までの、実際の時系列
労働審判は「3回で終わる」と説明されますが、実際に何がいつ起きるのかを見ておきます。
| 時期 | 起きること | こちらがやること |
|---|---|---|
| 申立て | 管轄の地方裁判所に申立書と証拠を提出 | 請求の趣旨、原因、計算書を整える |
| 1〜2週間 | 期日が指定され、会社に呼出状が届く | 主張を1枚にまとめておく |
| 第1回 | 双方の主張を確認。争点を整理 | 認める部分と争う部分を切り分ける |
| 第2回 | 証拠に基づく審理。和解案が示されることが多い | 着地点を決めておく(下限を設定) |
| 第3回 | 和解、または審判で終結 | 異議を出すかどうかを即断する |
第2回で和解案が出るのが一般的です。ここで「いくらまでなら受け入れるか」を事前に決めておくことが重要です。期日の場で判断すると、感情が入ります。
審判で決着した場合、会社が異議を申し立てると効力を失い、訴訟に移ります。異議が出る可能性が高いのは、会社が全面的に争う姿勢のときです。逆に、第2回までに和解の方向が見えていれば、異議の心配は小さくなります。
労働審判に向くケース・向かないケース
すべての事案が労働審判に適しているわけではありません。判断の目安を整理します。
| 状況 | 向いている手続き |
|---|---|
| 金額が300万円以下、争点が時間数だけ | 労働審判 |
| 会社が話し合いに応じる姿勢を見せている | 労働審判(和解で早期解決) |
| 管理監督者性など、法的な判断を争う | 訴訟(判決で決着) |
| 請求額が1,000万円を超える | 訴訟 |
| 時効が目前に迫っている | 労働審判(まず申し立てて止める) |
労働審判は話し合いの場なので、会社が「一切払わない」という姿勢だと、和解に至らず審判になります。その場合も異議で訴訟に移るため、結果として時間がかかります。
判断を誤りやすいのは、「早く終わらせたい」という理由だけで労働審判を選ぶケースです。金額を譲る前提がなければ、和解は成立しません。「時効を止める」「早期に決着する」「満額を取る」のどれを優先するかを先に決めてから、手続きを選んでください。
自分で申し立てる場合に、つまずく3点
労働審判は本人でも申し立てられます。ただし、実際に進める際は次の3点でつまずきます。
| つまずき | 実務での対応 |
|---|---|
| 申立書の書式がわからない | 裁判所の窓口にひな形があります。管轄の地方裁判所に確認します |
| 請求の趣旨と原因の書き分け | 「趣旨」は結論(いくら払え)、「原因」は理由(なぜ発生したか)です |
| 相手の反論に即答できない | 時効、管理監督者性、固定残業代の3つは必ず来ます。事前に用意します |
とくに時効の主張は、会社側が必ず出します。「3年より前の分は消えている」と言われたら、支払期日ごとに起算日を整理した表を出します。ここを用意していないと、その場で金額を削られます。
もう1つ多いのが、「服務規程違反だから支払わない」という反論です。無断欠勤や物品の持ち出しがあったとしても、既に発生した割増賃金の支払い義務が消えるわけではありません。相殺できるのは、損害額が確定している場合に限られます。
和解金はどう決まるか。3つの要素
労働審判では、判決ではなく和解で終わるのが一般的です。和解金は、次の3つの要素で決まります。
| 要素 | 効き方 |
|---|---|
| 証拠の強さ | タイムカードやログが揃っていれば、請求額に近づく |
| 会社の争う姿勢 | 全面否認なら、裁判官は「決着」を優先させる |
| 時効までの残り | 逼迫している側が譲る構図になりやすい |
実務では、請求額の6〜8割で着地することが多いといわれます。ただし、これは相場ではなく結果です。証拠が弱い部分だけが削られ、強い部分は満額で残るという形で決まることが多く、全体の割合はその積み上げで変わります。
たとえば請求300万円のうち、100万円分は記録があり、200万円分は記憶だけだった場合。100万円は満額、200万円は5割で100万円——合計200万円(約67%)という着地になります。全体を一律に値引くのではなく、部分ごとに評価が分かれるのです。
この構造を踏まえると、準備の優先順位が見えます。金額の大きい月の記録から固める。全部を均等に揃えるより、効きます。
審判に異議が出た場合、どうなるか
労働審判で審判が出ても、会社が異議を申し立てると効力を失い、訴訟に移ります。この流れを知っておくと、判断を誤りません。
| 展開 | 次に起きること | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 異議なし | 審判が確定。支払い義務が生じる | 2週間で確定 |
| 異議あり | 審判は効力を失い、訴訟へ移行 | そこから1年以上 |
| 和解で終結 | 和解調書が作られ、確定判決と同じ効力 | 即日 |
異議が出るのは、会社が全面的に争う姿勢のときです。逆に、第2回までに和解の方向が見えていれば、異議のリスクは小さくなります。「審判で決まったから終わり」ではない点に注意してください。
移行した訴訟では、労働審判で使った資料をそのまま使えます。やり直しではなく、同じ土台で審理が続くイメージです。ただし、期間は1年以上かかることがあり、その間も時効は止まっています。
和解で終わる場合、和解調書が作られます。これは確定判決と同じ効力を持ち、支払いがなければ強制執行できます。口頭の合意で終わらせず、必ず調書に残してください。
よくある反論 — 会社の言い分と、こちらの整理
| 会社が言いがちなこと | こちらの整理 |
|---|---|
| 労働審判は3回で必ず終わる | 原則3回以内で終結しますが、まとまらなければ訴訟に移ります。 |
| 審判なので会社は従う義務がある | 審判に異議が出れば効力が失われ、訴訟に移行します。相手が争う構えなら、そこが分岐点です。 |
| 弁護士なしでも進められる | 本人でも申立てはできますが、金額の立証と法的構成は専門的です。 |
未払い残業代が請求できるか、確認する。
月給・残業時間・入社と退職の年月を入れるだけで、請求できる範囲の月数と金額を計算します。登録は不要で、入力内容はブラウザの外に出ません。
- 時効で消える前の金額が分かる
- 固定残業代を引いた不足額が出る
- 管理監督者に当たるかも5問で確認